前回の記事(シリーズ②)【(Excel初心者向け)エクセルの操作フロー(流れ)を分かりやすく解説】では、Excel初心者の方に向けて、Excelの基本操作フロー(「ブックの作成」→「ワークシートの作成」→「セルに内容を入力・編集」→「ブックの保存・印刷)についてご説明しました。
今回の記事では、早速仕事や日常生活などにも簡単に応用できる強力な機能の一つとして、Excelのテーブル機能を中心にご紹介したいと思います。
本シリーズの特徴
このシリーズは自分がExcelを学び、仕事などで実際に使ってきた経験の中、初心者にとって押さえておいたほうがいい知識とそれらを覚えやすい順番を自分なりに考え、デザインしているものです。初心者が学んでいく過程で、生じるだろうと思う疑問をいかに早く解消してあげるかを常に念頭に置き、徹底的な初心者目線で書こうと心がけています。
本記事の想定読者:基本用語を知っているぐらいのExcel初心者
この記事は以下のような読者イメージで書かせていただきます。
本記事の想定読者
ある程度パソコン操作ができますが、Excel(エクセル)は今までほとんど使ってこなかった方、あるいは初歩的知識を持っていますが、基礎から体系的に勉強したい方
※ブックやワークシート、セルなどのExcelの基本用語を使っていくので、分からなければシリーズ①の前回の記事【Excel(エクセル)初心者が押さえるべき用語まとめ】を適宜ご覧いただければと思います。
また、前回の記事で例として作った「支出記録表」を更にブラッシュアップしていくため、まだご覧になっていない初心者の方がいらっしゃれば、前回の記事(シリーズ②)【(Excel初心者向け)エクセルの操作フロー(流れ)を分かりやすく解説】を先にご覧いただく方が良いかもしれません。
また、使用するOffice ExcelのバージョンはExcel 2019ですが、Excel 2016やExcel 2013とはそれほど違わないので、あまり問題ないかと思います。
そして、記事の中に図をたくさん貼りつけて説明していますが、小さくて見づらい場合があり、大変申し訳ないですが、画面を拡大表示していただければ幸いです。
本記事の到達点目標:テーブル機能で表を効率よくカッコよく
本記事はExcelのテーブル機能を中心に、テーブルの表計算や集計機能を使って、簡単に演算を行ったり、スタイルを変更して、自分好みの見た目に変更するやり方を身につけていただきます。
目安として、下図の左(前回記事作成した表)から右側のテーブル機能を使った表にブラッシュアップできるかと思います。
では、具体的にやり方を見ていきましょう。
まず、テーブル機能を生かして、見た目を良くし、差額と集計値を出す
前回記事の「図6 セルに文字列と数字を入力」した状態を今回のスタートとします。ただし、「小計」欄は入力しなくて良いです(後ほどテーブルの集計機能を使うため)。
変換したいセル範囲内の任意のセルを選択状態にし、挿入>テーブル
まず、セル【B3】からセル【E7】の範囲内の任意のセルを選択状態にします。例えば、図3左の図ではセル【B4】の「電話代」を選択状態にしています。
そして、<挿入>タブ→<テーブル>グループ→「テーブル」をクリックし、出てくる「テーブルの作成」ダイアログボックスの中、「先頭行をテーブルの見出しとして使用する」に☑を入れます。
「テーブルの作成」ダイアログボックスの「OK」を押したら、図4のような青色の見出し行としましま模様のある表(テーブル)に変わります(図4)。
テーブルに変換するショートカットは「ctrl」+「T」です。
【注意点】選択したセル範囲からテーブルに変換する際に、見出し行の上の行(例えば図4の第2行)と表の一番左の列(例えば図4のA列)には何も入力されていない状態が必要です。
上と左に隣接する行と列にデータなどが入っていると、それらも含めてテーブルの範囲として認識してしまい、変なテーブルに変換してしまう可能性があるからです。
「テーブルスタイル」及びテーブルの主な機能
図4の表を見れば、罫線や塗りつぶしの色などが自動的に設定されています。「テーブルスタイル」が自動的に適用されているわけであります。
「テーブルスタイル」とは、表の罫線や塗りつぶしの色などの書式を組み合わせたもので、表全体の見た目(見栄え)をワンクリックで瞬時に変えられます。(図5を参照)
さらに、テーブル機能のすごいところは見栄えを整えるだけでなく、表を「テーブル」に変えると、並べ替えやフィルター機能が簡単にできるようになります。
大量のデータを扱う表であれば、その威力はもっと感じられます。これらの機能はまた別の記事にて詳しくご紹介します。
テーブルに数式を入れたら、関連するセルまで数式を自動適用してくれる
図4のテーブルの中のセル【E4】を選択状態にして、数式バーに「=」を入力したら、セル【C4】をクリックし、「-」を入力し、さらにセル【D4】を選択状態にし、そのままエンターキーを押したら、セル【E7】まで自動的にセル【E4】の計算式を自動的に適用してくれて、計算結果も入力してくれたことがわかります(図6)
また、図6のステップ②で数式バーに数式を入れる際に、セル名(例えばセル【C4】)を内容(例えば[@予算]」)として表示してくれます。
セル【E4】でこれから計算するのが「[予算]-[実費]」ですよねというふうに数式バーで確認できるので、非常に親切でわかりやすいと思います。
テーブルスタイルのオプションで集計行を追加し、合計を出す
では、いよいよ最後の計算に入ります。
前回の記事ではΣのオートSUM関数を使って、小計を出したのですが、テーブルに変換すれば、テーブルスタイルのオプションで集計行を追加すれば簡単に合計値を出せます。
やり方も非常に簡単で、まずセル【B3】からセル【E7】の範囲内の任意のセルを選択状態にし、テーブル ツール<デザイン>タブ→<テーブルスタイルのオプション>グループ→「集計行」を☑️入れると、セル【B8】からセル【E8】まで「集計」行が追加されました(図7)。
そして、セル【C8】をクリックしたら、下方向の矢印が現れ、さらにその矢印をクリックしたら、「平均」、「個数」などの項目が出てきます。
そこで、「合計」を選んだら、セル【C8】に「26500」が表示され、同じ要領でセル【D8】に「24400」という合計値が表示されます(図8)。
お気づきになったと思いますが、テーブルスタイルのオプションの集計行を追加すれば、合計だけでなく、平均や個数、数値の個数、最大値、最小値、標本標準偏差など、またその他の関数も選べて、実に便利な機能です。いろいろいじってみると面白いかもしれません。
さらに、数値形式とタイトル形式を変え、見やすいように
ここまで計算が終わり、最後に数値形式をタイトルの形式を変えて、さらに見やすくするように設定を変更します。
数値形式を貨幣に
セル【C4】からセル【E8】までの数値はそれほど桁数は多くないものの、やはりちょっと見にくいので、貨幣形式にして、さらに桁区切りスタイルの「,」にしたほうがわかりやすいかと思います。
その設定も非常に簡単です。まずセル【C4】からセル【E8】までの範囲を選択し、<ホーム>タブ→<数値>グループ→通貨の中、「¥日本語」をクリックすれば、「¥」マークがつき、桁区切りスタイルの「,」もつくようになりました(図9)。
タイトル行のセルを結合して、スタイルを「タイトル」に
そして、最後にタイトル行の「8月度予算、支出記録」のセルを結合させ、「タイトル」スタイルに設定します。
まず、セル【B1】からセル【E1】まで選択し、<ホーム>タブ→<配置>グループの「セルを結合して中央揃え」をクリックし、さらに<ホーム>タブ→<スタイル>グループの「タイトル」をクリックすれば、設定が完了になります。
まとめ
いかがでしょうか。
今回はテーブル機能や数値、スタイルの形式変更などを通じて、効率よくカッコよく表らしい表を作ってみました。
様々な設定変更をいじると、「こんなこともできるんだ」など意外と楽しいのではないかと思いますので、ぜひいろいろ試していただければと思います。
次回は【改行できない!上書きモードになっている!など、Excel初心者がつまずきやすいポイントをまとめ】という記事をお届けいたします。どうぞお楽しみに〜♪